「同じスイミングスクールに通っているのに、なぜあの子はどんどん速くなるの?」
「練習は頑張っているのに、うちの子はなかなかタイムが縮まらない……」
水泳を続けていると、こんな疑問を持つことがあります。
もちろん、水泳のタイムは練習量だけで決まりません。
年齢、成長、体格、泳ぎの技術、指導環境など、さまざまな要素が関係します。
それでも、タイムを伸ばしていく選手には、「泳ぐこと以外の部分」にも共通する習慣があります。
それは、特別な才能とは限りません。
むしろ、
「練習で言われたことを次の練習まで覚えている」
「自分の泳ぎを振り返る」
「目標を具体的にする」
といった、小さな習慣です。
この記事では、小中学生が水泳のタイムを縮めていくために意識したい5つの習慣を紹介します。
結論|速い子は「泳いでいる時間以外」も大切にしている
最初に結論です。
タイムを伸ばしていく選手は、単純に練習量が多いだけではありません。
「次の練習で何を改善するか」を考える習慣があります。
例えば、
- 今日の練習で何を注意された?
- 自分のどこが悪かった?
- 次は何を変える?
- 大会で何秒を目指す?
- 今の自分と以前の自分は何が違う?
こうしたことを考えています。
もちろん、すべての速い選手が同じ行動をしているわけではありません。
しかし、競技として水泳に取り組むなら、自分の泳ぎを振り返ることは大切な習慣の一つです。
速くなる子に共通する5つの習慣
今回紹介するのは、この5つです。
- 練習で言われたことを覚えている
- 自分の泳ぎを見る
- 目標を具体的にする
- 失敗した理由を考える
- 練習以外でも水泳について考える
どれも、特別な道具が必要なものではありません。
① 練習で言われたことを覚えている
水泳の練習では、コーチからさまざまなアドバイスを受けます。
例えば、
「もっと体を伸ばして」
「頭を上げないで」
「キックを最後まで続けて」
「ターン後にしっかり伸びよう」
などです。
ここで大切なのは、
「その場でできたか」だけではありません。
次の練習まで覚えているかどうかです。
「言われたこと」を自分の課題にする
練習が終わったら、1つだけ思い出してみましょう。
今日、コーチから何を言われた?
そして、
次の練習では何を意識する?
まで考えます。
これだけでも、練習に対する意識が変わります。
② 自分の泳ぎを見る
自分の泳ぎを動画で見る機会があれば、ぜひ活用してみてください。
泳いでいる本人は、自分の動きを水中から見ることができません。
そのため、
「自分ではきれいに泳げていると思っていたけど、動画を見ると足が下がっている」
ということもあります。
動画を見るときは、最初から全部を直そうとしなくて大丈夫です。
まずは1つだけ確認
例えば自由形なら、
- 頭の位置
- 呼吸
- キック
- 腕の動き
- 入水
- ターン
など、1つに絞ります。
「全部直さなきゃ」と思うと、逆に何も分からなくなります。
③ 目標を「タイム」で具体的にする
「速くなりたい」
これは良い目標です。
でも、もう一歩具体的にしてみましょう。
例えば、
「50m自由形を速くする」
から、
「次の大会で自己ベストを更新する」
へ。
さらに、
「今のタイムから0.5秒縮める」
など、自分の現在地に合わせて具体化します。
ただし、目標タイムを無理に高く設定する必要はありません。
大切なのは、
今の自分と比較することです。
④ 失敗した理由を考える
大会で自己ベストが出なかった。
スタートで遅れた。
ターンで離された。
後半に失速した。
こういうとき、
「今日はダメだった」
で終わらせるのは簡単です。
でも、そこで一歩進んで、
「なぜ?」
と考えてみましょう。
例えば、
スタートで遅れた
↓
飛び込み後の姿勢はどうだった?
前半は速かったのに後半失速した
↓
前半に力を使いすぎなかった?
ターン後に離された
↓
壁を蹴った後の姿勢はどうだった?
このように考えると、失敗が次の練習課題になります。
⑤ 練習以外でも水泳について考える
ここが今回、一番伝えたい部分です。
水泳はプールで泳ぐスポーツです。
当然、泳ぐ練習は必要です。
しかし、
「プールに入っていない時間=水泳とは関係ない時間」
ではありません。
例えば自宅で、
- ストリームラインを確認する
- 軽く体を動かす
- 大会動画を見る
- 自分の泳ぎを振り返る
- 次の練習の目標を決める
- 水泳のルールを知る
などができます。
前回の記事で紹介したように、10分程度の自主練習から始めても構いません。
「速い子だからできる」のではなく「続けているから変わる」
ここで注意したいことがあります。
「速い子はこうしている」
と聞くと、
「うちの子には無理」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、最初から全部できる必要はありません。
例えば、
今週は「練習で言われたことを1つ覚える」。
来週は「次の練習の目標を1つ決める」。
その次は「大会動画を見て振り返る」。
このように1つずつ増やせばいいのです。
親がやるべきなのは「答えを教えること」ではない
子どもの水泳を見ていると、
「もっと腕を回したら?」
「キックが弱いんじゃない?」
「もっと練習した方がいいよ」
と言いたくなることがあります。
親としては当然です。
でも、すべての答えを親が教える必要はありません。
例えば、
「今日の練習で何を注意された?」
と聞いてみる。
子どもが、
「ストリームライン」
と答えたら、
「じゃあ次はどうする?」
と聞く。
これだけでも、
子ども自身が考えるきっかけになります。
「なぜ?」を考える子は、練習の意味が変わる
例えばコーチから、
「もっと伸びて」
と言われたとします。
そこで、
「伸びるって何?」
と考える。
「なぜ伸びる必要があるの?」
と考える。
「伸びたら何が変わる?」
と考える。
この「なぜ?」が大切です。
ただ言われたことを繰り返すのではなく、
自分の泳ぎと結びつける。
そうすると、練習が単なる反復ではなくなります。
0.1秒を縮めるために必要なのは「大きな変化」だけではない
水泳では、0.1秒の差が結果を分けることがあります。
だからといって、
「明日から劇的に泳ぎを変えよう」
とする必要はありません。
むしろ、
- スタートを少し改善する
- ターンを少し速くする
- 浮き上がりを安定させる
- ストリームラインを意識する
- 呼吸で姿勢を崩さない
という小さな改善を積み重ねていくことが重要です。
「昨日より少し良くする」
という考え方です。
大会後に必ずやってほしい「3つの振り返り」
大会が終わったら、親子で3つだけ確認してみてください。
① 良かったこと
「何ができた?」
② 悔しかったこと
「どこで悔しかった?」
③ 次に変えること
「次の大会までに何をする?」
これだけで十分です。
反省会を長くする必要はありません。
特に子どもに対して、
「なぜこんなタイムだったの?」
と責めるような振り返りにならないよう注意しましょう。
大会結果は、次に改善するための材料です。
水泳が速くなるために「親子で一緒に考える」
小中学生の水泳では、親のサポートも大切です。
ただし、
親が選手になる必要はありません。
子どもの代わりに練習することもできません。
できるのは、
「一緒に考えること」
です。
例えば大会後に、
「前より速くなったね」
「次は何を頑張りたい?」
「練習でコーチに何を言われた?」
と話してみる。
これだけでも、子どもが自分の水泳について考えるきっかけになります。
まとめ|速くなる子は「練習以外の時間」も無駄にしない
水泳のタイムは、練習量だけで決まりません。
成長、体格、技術、経験、指導環境など、さまざまな要素があります。
そのうえで、今回紹介した5つの習慣を振り返ってみましょう。 習慣 やること ① 覚える コーチに言われたことを1つ覚える ② 見る 自分の泳ぎを動画で確認する ③ 決める 次の目標を具体的にする ④ 考える 失敗した理由を振り返る ⑤ 続ける プール以外でも水泳について考える
全部を一気にやる必要はありません。
まずは、
「次の練習で何を意識する?」
この質問から始めてみてください。
水泳が速くなるために必要なのは、いつも大きな努力とは限りません。
毎日の小さな気づき。
練習後の振り返り。
次の練習での1つの目標。
そうした積み重ねが、自分の泳ぎを変えるきっかけになります。
そして最終的には、
「言われたから泳ぐ選手」から「自分で考えて泳ぐ選手」へ。
大会で自己ベストを更新したい。
ライバルに追いつきたい。
0.1秒でもタイムを縮めたい。
そう思っている小中学生なら、まず今日から1つだけ始めてみてください。
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