「毎週スイミングスクールに通っているのに、タイムが伸びない……」
「練習では速く泳げているのに、大会になると自己ベストが出ない」
「同じくらいの時期に始めた子が、どんどん速くなっている」
水泳を頑張る子どもを見ていると、親として焦りや不安を感じることがあります。
本人も一生懸命練習しているからこそ、結果が出ないと悔しいものです。
しかし、ここで考えてほしいことがあります。
水泳のタイムが伸びないからといって、必ずしも練習量が足りないとは限りません。
泳ぎの技術、スタートやターン、レースでの泳ぎ方、疲労、成長段階など、さまざまな要素が関係しています。
大切なのは、やみくもに練習を増やすことではなく、今の自分に何が必要なのかを見つけることです。
この記事では、小中学生の競泳でタイムが伸び悩む主な原因を5つに分けて解説します。
さらに、自分でできる簡単な確認方法と、次の練習で意識したい改善ポイントも紹介します。
水泳のタイムが伸びないのはなぜ?まずは原因を確認しよう
結論から言うと、タイムが伸びないときは、泳ぎ全体を何となく頑張るのではなく、どこでタイムを失っているのかを確認することが大切です。
例えば、50m自由形で自己ベストが出ない場合でも、原因は選手によって異なります。
- スタートで出遅れている
- 泳いでいる途中で姿勢が崩れている
- 呼吸のたびにスピードが落ちている
- ターン後に十分な勢いを保てていない
- 大会本番で練習どおりの泳ぎができていない
このように、同じ「タイムが伸びない」という悩みでも、改善する場所は違います。
まずは、次の5つの原因を確認してみましょう。
原因① 泳ぎのフォームが崩れている
水泳のタイムが伸び悩む原因の一つが、泳ぎのフォームです。
一生懸命腕を回していても、体の姿勢が崩れていたり、呼吸のたびに大きく減速していたりすると、力を効率よく前に進む動きにつなげられないことがあります。
よくあるフォームの問題
- 頭が上がり、下半身が沈んでいる
- 呼吸のときに体が大きく揺れる
- 腕を回すことに意識が集中している
- キックと腕の動きが合っていない
- 水をかく動作が途中で終わっている
特に自由形では、腕の回転数を増やすだけでなく、姿勢や呼吸とのバランスも重要です。
簡単な確認方法
練習中にコーチから注意されたことを思い出してみましょう。
「頭を上げないで」 「体をまっすぐに」 「呼吸のときに姿勢を崩さない」
こうした指摘が繰り返されている場合は、フォームを見直すきっかけになります。
可能であれば、練習や大会の動画を確認し、気になる部分をコーチに相談してみましょう。
改善のポイント
一度にすべてを直そうとしないことです。
まずは、次の練習で意識するポイントを一つに絞ります。
例えば、
「今日は呼吸のときに頭を上げすぎない」
これだけでも、練習中に確認する課題が明確になります。
原因② スタートやターンでタイムを失っている
泳ぎそのものは速くなっているのに、レースのタイムが伸びない。
そんな場合は、スタートやターンにも注目してみましょう。
競泳では、泳いでいる時間だけでなく、スタートからの動きや壁を使ったターンも記録に影響します。
スタートで確認したいこと
- 合図に反応できているか
- 飛び出した後の姿勢が崩れていないか
- 入水後に大きな抵抗を受けていないか
- 浮き上がりのタイミングが安定しているか
ターンで確認したいこと
- 壁に近づくまで減速していないか
- 回転動作がスムーズか
- 壁を蹴る方向が安定しているか
- 壁を蹴った後に姿勢を保てているか
簡単な確認方法
大会動画があれば、スタート直後やターン後の動きを見てみましょう。
泳ぎ始めてからではなく、スタートや壁を蹴った直後にライバルとの差が広がっていないかを確認します。
ただし、映像だけで原因を決めつける必要はありません。
気づいたことをコーチに伝え、改善方法を相談しましょう。
関連記事:水泳のスタートを速くする練習方法|小中学生が大会で差をつける5つのポイント
原因③ 練習の目的が曖昧になっている
毎週練習に通っている。
メニューも一生懸命こなしている。
それなのに、タイムが伸びない。
そんなときは、練習の目的を振り返ってみましょう。
ここで大切なのは、子どもが練習メニューのすべてを理解しなければいけないということではありません。
コーチが設定した練習には、それぞれ目的があります。
その中で、選手自身が「今日の練習で何を意識するか」を一つ持てると、振り返りがしやすくなります。
例えば、こんな目標
練習の課題 意識すること 自由形のフォーム 呼吸時の姿勢 キック練習 足の動きを安定させる スタート練習 入水後の姿勢 ターン練習 壁を蹴った後の姿勢 レース練習 前半と後半のペース
簡単な確認方法
練習が終わったら、子どもに一つ質問してみてください。
「今日の練習で、一番意識したことは何?」
すぐに答えられなくても問題ありません。
次の練習で意識することを一つ決めるだけでも、目標を持って取り組むきっかけになります。
原因④ 大会本番で練習どおりの泳ぎができていない
「練習では速いのに、大会ではタイムが出ない」
これは、競泳に取り組む子どもや保護者が抱えやすい悩みの一つです。
大会では、普段の練習とは違う環境になります。
- 周囲の選手や観客が気になる
- スタート前に緊張する
- ライバルの泳ぎが気になる
- 前半から力を使いすぎる
- いつもと違う泳ぎ方になってしまう
こうした要素が、レース中の動きに影響する場合があります。
簡単な確認方法
大会後に、タイムだけでなく泳ぎの内容も振り返ってみましょう。
例えば、
「前半はいつもより速かった?」 「後半は苦しくなっていなかった?」 「スタート前に緊張していた?」 「練習で意識していた動きはできた?」
といった質問です。
改善のポイント
大会での目標を、タイムだけにしないことも一つの方法です。
例えば、
- スタート後の姿勢を意識する
- 呼吸で頭を上げすぎない
- 最後まで自分の泳ぎを崩さない
といった動作の目標を決めておきます。
結果だけでなく、自分で決めた目標を実行できたかも振り返りましょう。
原因⑤ 疲労や成長段階の影響を受けている
小中学生の水泳では、成長段階によって体格や体の使い方が変化することがあります。
身長や手足の長さが変わると、これまで慣れていた泳ぎの感覚が変わることもあります。
また、学校生活や練習による疲労がたまっている場合、いつもどおりの力を発揮できないこともあります。
こんな変化はありませんか?
- 最近、練習後の疲れが強い
- 以前より体が重く感じる
- 泳ぎの感覚が変わった
- 練習に集中しにくい
- タイムだけでなく、泳ぐこと自体がつらくなっている
このような場合は、単純に練習量を増やすのではなく、休息や体調にも目を向けましょう。
改善のポイント
成長期の子どもにとって、睡眠や食事、休息も大切です。
疲労が強いときや痛みがあるときは、無理に自主練習を追加しないでください。
必要に応じて、コーチや保護者、医療の専門家に相談しましょう。
タイムが伸びないときに親が確認したい5つのチェック項目
ここまでの内容を、親子で確認できるように整理しました。 チェック項目 確認すること ① フォーム コーチから繰り返し注意されている部分は? ② スタート・ターン レースのどこで差がついている? ③ 練習の目的 次の練習で意識することは決まっている? ④ 大会での泳ぎ 練習と本番で何が違った? ⑤ 疲労・成長 休息や体調に問題はない?
全部を一度に改善する必要はありません。
まずは、今の子どもにとって一番取り組みやすい課題を一つ見つけましょう。
タイムが伸びないときこそ、練習量を増やす前に考えたいこと
水泳を頑張っている子どもを見ると、親としては「もっと練習した方がいいのでは?」と思うことがあります。
しかし、タイムが伸びない原因がフォームやスタートにある場合、単純に泳ぐ量を増やすだけでは解決しないこともあります。
大切なのは、
今の練習で何を改善すれば、次の一歩につながるのかを考えることです。
前回の記事で紹介した自宅10分の自主練習も、ただ毎日続けることだけが目的ではありません。
プールでの練習を振り返り、次に意識することを決める。
そして、コーチの指導を受けながら実際の泳ぎで試してみる。
このサイクルを作ることが大切です。
まとめ|水泳のタイムが伸びないときは原因を一つずつ確認しよう
水泳のタイムが伸びない原因は、練習量だけではありません。
今回紹介した5つの原因を振り返ってみましょう。
- 泳ぎのフォームが崩れている
- スタートやターンでタイムを失っている
- 練習の目的が曖昧になっている
- 大会本番で練習どおりに泳げていない
- 疲労や成長段階の影響を受けている
タイムが伸びない時期は、子どもにとっても親にとっても不安になるものです。
しかし、自己ベストが出なかったからといって、これまでの努力が無駄になるわけではありません。
大切なのは、結果だけを見て焦るのではなく、次に改善するポイントを見つけることです。
まずは次の練習で、意識することを一つだけ決めてみましょう。
「なぜ速くならないのか?」を考えることが、次の自己ベストへの第一歩です。
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