「うちの子は、どうすれば泳げるようになるんだろう?」
スイミングスクールに通っていても、顔を水につけるのが苦手だったり、浮くことができなかったりすると、保護者としては不安になりますよね。
しかし、泳げない子に必要なのは、いきなり長い距離を泳ぐ練習ではありません。
水に慣れる → 呼吸 → 浮く → 姿勢 → キック → 手の動き → 全身を連動させる
というように、段階を踏んで練習することが大切です。
この記事では、泳げない小学生が泳げるようになるために取り組みたい基本練習を7つ紹介します。
三部作の最後として、今回は「原因を知る」から一歩進んで、実際の練習方法まで解説します。
泳げるようになるために大切なのは「練習量」だけではない
まず知っておきたいのが、
泳げない=練習が足りない
とは限らないということです。
例えば、水が怖い子が何度も水中練習をすると、技術以前に恐怖心が強くなってしまうことがあります。
また、身体が沈んでいる状態でバタ足だけを繰り返しても、効率よく前に進めない場合があります。
だからこそ、
「何を練習するか」だけでなく「どの順番で練習するか」
が重要です。
練習① 水に顔をつける練習
最初に取り組みたいのが、水への恐怖心を減らす練習です。
いきなり顔全体を水につける必要はありません。
まずは、
- 水を手で触る
- 口を水につける
- 水中で息を吐く
- 鼻や口を水につける
- 顔全体を水につける
というように、できるところから進めます。
ポイントは、無理に押さえつけないことです。
「顔をつけなさい」と言われるより、
「今日は口までできたね」
という小さな成功を積み重ねたほうが、水への苦手意識を減らしやすくなります。
練習② 水中で息を吐く
次に覚えたいのが呼吸です。
水泳では、水中で息を吐き、顔を上げたときに息を吸うという呼吸のリズムが重要になります。
まずは水中で、
「ブクブク」と息を吐く
練習から始めてみましょう。
ここで大切なのは、長く息を吐くことを競わないことです。
最初は短くても構いません。
「水の中でも息を吐ける」
という感覚を身につけることが目的です。

練習③ 身体を水に浮かせる
泳ぐための基本となるのが「浮く感覚」です。
泳げない子は、
「沈まないようにしよう」
と身体を固くしてしまうことがあります。
しかし、身体に力が入りすぎると、自然な浮き姿勢を作りにくくなる場合があります。
まずは安全を確保したうえで、指導者や保護者が近くで見守りながら、身体を水に預ける感覚を覚えていきます。
ここでは「何秒浮けたか」だけを目標にしないことも大切です。
水の中で身体をリラックスさせられたか
にも注目してください。
練習④ けのびで姿勢を作る
泳ぎにつなげるためには、身体を一直線に近づける「けのび」の姿勢も重要です。
けのびでは、
- 頭の位置
- 背中
- 腰
- 脚
- 腕
など、身体全体の姿勢を意識します。
姿勢が崩れている状態でキックや腕の動きを増やしても、水の抵抗を受けやすくなります。
そのため、
「たくさん動く」より「きれいな姿勢を作る」
ことを先に意識してみましょう。

練習⑤ バタ足は「強く」ではなく「小さく速く」
バタ足というと、
「脚を強く蹴る」
イメージを持っている子もいます。
しかし、脚を大きく動かせば必ず速くなるわけではありません。
むしろ、大きく蹴りすぎることで身体が上下に揺れたり、姿勢が崩れたりすることがあります。
まずは、
小さな動きでリズムよくキックする
ことを意識しましょう。
また、膝だけで動かすのではなく、脚全体を連動させる感覚も重要です。
ただし、キックの細かなフォームは年齢や泳力によって異なるため、スクールのコーチに確認しながら進めるのがおすすめです。
練習⑥ 壁を使って「けのび+キック」
浮くことやけのびができるようになったら、少しずつ前へ進む練習につなげます。
例えば、
壁を蹴る
↓
けのび
↓
姿勢を保つ
↓
バタ足
↓
止まる
という流れです。
最初から長い距離を泳ぐ必要はありません。
短い距離で、
「姿勢を崩さず進めた」
という経験を積み重ねていきます。
距離を伸ばすのは、その後で構いません。

練習⑦ クロールの腕を少しずつ加える
最後に、キックと身体の姿勢が安定してきたら、腕の動きを加えていきます。
ここで大切なのは、
いきなり「25mクロールを泳ごう」としないこと。
泳ぎを細かく分解して練習します。
例えば、
けのび
↓
キック
↓
片手の動き
↓
左右の腕の動き
↓
呼吸を加える
↓
全体をつなげる
というように、一つずつ組み合わせていきます。
泳げない子ほど、「全部同時にやろう」とすると混乱しやすくなります。

泳げない子の練習は「できた」を基準にする
練習で一番大切にしたいのが、子どもの成功体験です。
例えば、
「今日は顔を水につけられた」
「昨日より長く浮けた」
「けのびで少し進めた」
「バタ足で前に進めた」
これらはすべて成長です。
25m泳げるようになることだけを成功と考えてしまうと、途中の小さな成長を見逃してしまいます。
小さな成功が積み重なって、最終的な「泳げた」につながります。
自宅でできる練習もある
泳ぐ練習そのものはプールで行う必要がありますが、水泳に必要な身体の使い方を陸上で練習することはできます。
例えば、
- 体幹を意識した姿勢づくり
- 肩まわりを動かす運動
- 股関節を動かす運動
- 足首を柔らかく使う練習
- ストリームラインを意識した姿勢練習
などです。
ただし、陸上でできる練習がそのまま泳ぎの上達につながるわけではありません。
水中でしか身につけられない感覚もあります。
そのため、自宅練習はプールでの練習を補助するものとして考えるとよいでしょう。

保護者が練習を見るときの3つのポイント
子どもの練習を見るときは、細かい技術をすべてチェックする必要はありません。
まずは次の3つを見てみましょう。
① 水を怖がっていないか
以前より水に慣れているか確認します。
② 身体に力が入りすぎていないか
肩や身体がガチガチになっていないかを見ます。
③ 前回より一つでもできることが増えたか
距離やタイムだけでなく、小さな変化を見つけます。
この3つを意識するだけでも、子どもの成長を見つけやすくなります。
こんなときは無理に練習を続けない
水泳では安全が最優先です。
子どもが強く怖がっている場合や、疲れて集中できていない場合は、無理に練習を続けないことも大切です。
特に水中では、疲労によって安全面のリスクも高まります。
練習は必ず安全を確保できる環境で行い、必要に応じてスイミングスクールなどの指導者に相談してください。

泳げるようになるまでの流れを整理
ここまでの三部作をまとめると、次のようになります。 段階 やること 第1部 泳げない原因・特徴を知る 第2部 改善する順番を知る 第3部 実際の練習に取り組む ① 水に慣れる ② 水中で息を吐く ③ 浮く ④ けのびで姿勢を作る ⑤ バタ足 ⑥ けのび+キック ⑦ 腕と呼吸を加える
すべての子が同じ順番で上達するわけではありません。
大切なのは、今の子どもの段階に合った練習をすることです。
「泳げない」は、スタート地点にすぎない
泳げない子を見ていると、
「このまま泳げなかったらどうしよう」
と不安になることがあります。
でも、最初から上手に泳げる子ばかりではありません。
水が怖かった子が顔をつけられるようになり、浮けるようになり、少しずつ前へ進めるようになる。
その小さな積み重ねの先に、クロールや平泳ぎなどの泳ぎがあります。
だからこそ、
「まだ泳げない」
ではなく、
「今は泳げるようになる途中」
と考えてみてください。
まとめ|泳げるようになる近道は「順番」を守ること
泳げない子が泳げるようになるためには、いきなり長い距離を泳ぐ必要はありません。
大切なのは、
水に慣れる
↓
呼吸を覚える
↓
浮く
↓
姿勢を整える
↓
キックする
↓
腕を加える
↓
泳ぎにつなげる
というように、一つずつ土台を作ることです。
そして、子どもの成長を「25m泳げたか」だけで判断しないこと。
顔を水につけられた。
息を吐けた。
浮けた。
少し前に進めた。
それぞれが、泳げるようになるための大切な一歩です。
この三部作を通して、
「泳げない原因を知る」
→「改善の順番を知る」
→「具体的に練習する」
という流れを作りました。
もし今、「うちの子は泳げない」と悩んでいるなら、焦らずに今できることから始めてみてください。
泳げるようになるための第一歩は、25mを泳ぐことではありません。
まずは、「昨日できなかったことが、今日一つできた」。
その小さな変化を大切にすることから始めてみましょう。




