
「前半は周りの選手についていけるのに、後半になると抜かれてしまう……」
「最初は速いのに、ゴール前で急にタイムが落ちる」
「最後まで頑張って泳いでいるのに、なかなか自己ベストが出ない」
競泳をしている小学生・中学生の中には、このような悩みを抱えている選手もいるのではないでしょうか。
水泳の大会で後半に失速する原因は、体力不足だけではありません。
前半に力を使いすぎていたり、疲れてフォームが崩れていたり、呼吸やキックの使い方に問題があったりすることもあります。
大切なのは、ただ根性で頑張ることではなく、なぜ後半に失速するのかを確認し、自分に合った改善方法を見つけることです。
この記事では、小中学生の競泳選手と保護者に向けて、水泳で後半に失速する5つの原因と改善方法を解説します。
次の練習で確認できるポイントも紹介するので、自己ベスト更新を目指すために活用してください。
水泳で後半に失速する主な原因5選
水泳で後半に失速する場合、主に次の5つの原因が考えられます。
- 前半にスピードを出しすぎている
- 疲れて泳ぎのフォームが崩れている
- キックが弱くなっている
- 呼吸が乱れて力が入っている
- レース全体のペース配分ができていない
まずは、自分がどのタイプに当てはまるのかを考えてみましょう。
原因1.前半にスピードを出しすぎている
水泳の大会で後半に失速する選手によくあるのが、前半に力を使いすぎてしまうことです。
スタート直後に周りの選手が速いと、「負けたくない」「離されたくない」と考えて、予定よりも速いペースで泳いでしまうことがあります。
その結果、後半に疲れが出て、腕が回らなくなったり、キックが弱くなったりします。
自分でできる確認方法
大会の記録に前半と後半のラップタイムがある場合は、確認してみましょう。
例えば、同じ距離を泳ぐレースで、前半は速いのに後半に大きくタイムが落ちているなら、前半のペース配分が原因の一つかもしれません。
ただし、種目や距離によって適切なペース配分は異なります。後半が前半より遅いだけで、必ずしも泳ぎ方が間違っているとは限りません。
改善方法:前半と後半のタイムを確認する
練習では、コーチの指示に従い、一定のペースで泳ぐ練習や、前半と後半のタイムを比較する練習に取り組んでみましょう。
例えば、同じ距離を何本か泳ぎ、次の点を確認します。
- 最初の数本だけ速くなっていないか
- 後半に急激にタイムが落ちていないか
- 同じペースを保つとフォームが安定するか
大切なのは、最初から全力で泳ぐことだけを考えないことです。
自分の種目に合ったペース配分を身につけることが、最後まで速く泳ぐための第一歩です。
原因2.疲れて泳ぎのフォームが崩れている
前半はきれいに泳げていても、疲れてくるとフォームが崩れることがあります。
例えば、自由形なら次のような変化です。
- 水をかく動作が小さくなる
- 頭が上がって体が沈みやすくなる
- 体の軸がぶれて左右に揺れる
- 腕を急いで回すだけになってしまう
このような状態になると、水の抵抗が増えたり、効率よく前に進めなくなったりすることがあります。
自分でできる確認方法
練習中に、泳ぎ始めと泳ぎ終わりのフォームを比べてみましょう。
可能であれば、コーチに泳ぎを見てもらったり、許可を得て動画を撮影したりすると、疲れたときの変化に気づきやすくなります。
確認したいのは、単に腕を速く回せているかどうかではありません。
疲れてきても、普段のフォームをどこまで保てているかが重要です。
改善方法:疲れたときのフォームを確認する
練習では、コーチの指示に従って、泳ぐ距離や本数を調整しながらフォームを確認します。
意識するポイントは、一度にたくさん増やさず、1つに絞りましょう。
例えば自由形なら、「頭を上げすぎない」「体の軸を安定させる」など、自分が崩れやすい部分を意識します。
ただし、フォームを無理に固定しようとすると、かえって泳ぎにくくなる場合もあります。自分に合った改善方法をコーチと相談してください。
原因3.後半にキックが弱くなっている
泳いでいるとき、腕の動きばかりに意識が向いていませんか?
キックも、泳ぎの姿勢や推進力を支える大切な要素です。
疲れてくると、キックの幅が大きくなりすぎたり、足の動きが小さくなったり、タイミングが崩れたりすることがあります。
その結果、体の位置が安定せず、腕の動きにも影響する可能性があります。
自分でできる確認方法
練習中に、泳ぎ始めと後半で次の点を比べてみましょう。
- 足の動きが極端に小さくなっていないか
- キックのリズムが乱れていないか
- 足を動かすことに意識が向きすぎて、上半身が崩れていないか
種目によってキックの役割や動かし方は異なります。自由形、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライで同じ考え方を当てはめず、それぞれの泳ぎ方に合わせて確認しましょう。
改善方法:キックと泳ぎ全体のつながりを確認する
キックだけを強くすればよいとは限りません。
大切なのは、キックと腕の動き、呼吸、体の姿勢がうまくつながっていることです。
練習では、コーチの指示に従ってキック練習やコンビネーション練習に取り組み、疲れてきたときにもリズムを保てるか確認しましょう。
特に小中学生は、疲れたときに力任せに動かすより、正しい動きを繰り返し身につけることが大切です。
原因4.呼吸が乱れて力が入っている
レース後半になると、息苦しさから焦ってしまう選手もいます。
呼吸を急いで行ったり、息を吐くタイミングが乱れたりすると、泳ぎのリズムが崩れることがあります。
自由形では、呼吸をするたびに頭が大きく上がると、体の姿勢にも影響する可能性があります。
自分でできる確認方法
練習中に、呼吸をするときの動きを確認してみましょう。
- 呼吸のたびに頭が大きく上がっていないか
- 呼吸をすると腕の動きが止まりそうになっていないか
- 息苦しくなると、急いで泳ごうとしていないか
呼吸の回数は、距離や種目、選手の泳力によって適切な方法が異なります。無理に呼吸を減らすことが改善につながるとは限りません。
改善方法:呼吸と泳ぎのリズムを整える
普段の練習から、呼吸をしてもフォームが大きく崩れないように確認しましょう。
自由形の場合は、呼吸の際に頭を上げすぎず、練習で身につけた動きを保つことがポイントです。
息苦しさを我慢して無理に泳ぎ続ける必要はありません。体調に異変がある場合は泳ぐのをやめ、コーチや保護者に伝えてください。
原因5.レース全体のペース配分ができていない
水泳の大会では、スタートからゴールまで、どのように泳ぐかを考えることも大切です。
前半に力を使いすぎる選手もいれば、後半を意識しすぎて前半からスピードを出せない選手もいます。
適切なペース配分は、泳ぐ距離や種目、現在の泳力によって異なります。
自分でできる確認方法
大会後に、記録やコーチのアドバイスをもとに振り返ってみましょう。
- 前半は予定したペースで泳げたか
- 後半はどのあたりから苦しくなったか
- スタートやターンでタイムを失っていないか
- 最後まで自分の泳ぎを保てたか
タイムだけでは原因がわからない場合もあります。可能であれば、ラップタイムや泳ぎの動画も参考にしましょう。
改善方法:大会前にレースの作戦を決める
大会前には、コーチと相談して、前半・後半で何を意識するかを決めておきましょう。
例えば、「前半は力みすぎない」「ターン後の姿勢を意識する」「最後までフォームを崩さない」など、自分が実行できる目標を設定します。
ただし、作戦を決めたからといって、すべてを完璧に行う必要はありません。
大会後に結果を振り返り、次のレースで改善することを一つずつ決めていきましょう。
後半に失速する選手が練習で確認したい3つのこと
ここまで5つの原因を紹介しました。
では、次の練習では何を確認すればよいのでしょうか。
まずは、次の3つから始めてみてください。
1.前半と後半のタイムを比べる
コーチに相談しながら、練習で前半と後半のタイムを確認します。
タイムが大きく落ちる場合は、ペース配分や疲労、フォームの変化などを調べるきっかけになります。
ただし、タイムだけで原因を決めつけないようにしましょう。
2.疲れたときのフォームを確認する
泳ぎ始めはきれいでも、疲れてくるとフォームが変わることがあります。
自分では気づきにくい場合もあるため、コーチに見てもらい、改善するポイントを一つ決めましょう。
3.レース後に振り返りをする
大会が終わったら、タイムだけでなく、前半・後半の泳ぎやスタート、ターンも振り返ります。
よかった点と改善したい点を一つずつ整理すれば、次の練習につなげやすくなります。
大切なのは、毎回すべてを変えようとしないことです。一つの課題を意識して練習し、できるようになったら次の課題に取り組みましょう。
水泳で後半に失速することについてよくある質問
Q1.後半に失速するのは体力不足だからですか?
体力が関係する場合もありますが、それだけが原因とは限りません。
前半のペース、フォーム、キック、呼吸、スタートやターンなど、複数の要素が影響している可能性があります。まずはコーチと一緒に、どこで失速しているのかを確認しましょう。
Q2.後半に失速しないために、毎日泳いだほうがいいですか?
必ずしも毎日泳ぐ必要があるわけではありません。
年齢や泳力、練習量、体調によって適切な練習内容は異なります。自己判断で練習量を増やすのではなく、コーチと相談して、必要な練習と休養を組み合わせましょう。
Q3.大会で前半から周りに離されたら、追いかけたほうがいいですか?
周りの選手だけを見て、急にペースを上げるのは避けたいところです。
自分の種目や距離に合った作戦を意識し、練習で身につけた泳ぎを大切にしましょう。レースの進め方は、コーチと相談して事前に決めておくのがおすすめです。
まとめ|後半に失速する原因を見つけて、自己ベスト更新を目指そう
水泳で後半に失速する原因は、体力不足だけではありません。
今回紹介した5つの原因を振り返ります。
- 前半にスピードを出しすぎている
- 疲れて泳ぎのフォームが崩れている
- 後半にキックが弱くなっている
- 呼吸が乱れて力が入っている
- レース全体のペース配分ができていない
大切なのは、失速したからといって、ただ練習量を増やすことではありません。
大会の記録や練習中の泳ぎを振り返り、自分に当てはまる原因を探してみましょう。
そして、改善するポイントを一つ決め、コーチと相談しながら練習に取り組んでください。
自己ベストを更新するためには、ただ一生懸命に泳ぐだけでなく、自分の泳ぎを知り、課題を一つずつ改善することが大切です。
次の大会では、前半の速さだけでなく、最後まで自分の泳ぎを保てるかどうかにも注目してみましょう。



